第1回 日本地下生菌研究会 観察会報告

日程:平成28年11月24日(木)~25日(金)
場所:千葉県鴨川市 東京大学大学院農学生命科学研究科附属千葉演習林

日本地下生菌研究会の第1回観察会(合宿)が、東京大学千葉演習林(清澄山)において開催されました。

参加者は総勢16名。福岡など遠方からの参加者も多くあり、会場となった清澄宿泊施設には8名が23日から前泊しました。食堂では夕食後も熱心に情報交換が続きます。

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まさかの大雪が・・
天気予報では関東方面で積雪の恐れがあることが伝えられていましたが、比較的温暖な南房総の清澄で雪が積もるとは誰も予想していませんでした。
しかし、朝起きてみると一面はまさかの銀世界! すでに雪は5cmほども降り積もっており、さらに夕方まで降り続く予報です。さすがにこの日の探索は諦めるしかありませんでした。
童心に帰って雪だるまを作って遊びました。

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幸い鉄道等の交通機関に大きな乱れはなく、夕方には参加予定の全員が集合することができました。
夕食前に演習林の職員から千葉演習林の概要をレクチャーしていただきました。

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夕食後も熱心に・・
夕食後は、スライドによる情報交換会が開催され、7名の方から以下のような内容の情報提供がありました。
・グロムスを食べる昆虫ムネアカセンチコガネとアカマダラセンチコガネの生態について
・最近見た珍菌(ブンゴツボマツタケ、杉グロムス、トムライカビなど)について
・命の森のイボセイヨウショウロについて
・これまで日本で見つかったトリュフ(成熟過程や発生環境など)について
・今年報告されたヤマイグチ類クレードの新分類群について
・ハイマツに発生する2種の新種のショウロ属について
・小笠原の菌類(シンジュタケなど)について

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一発逆転雪中の地下生菌探索へ・・
最終日の25日は朝から青空が広がりました。
全員で記念撮影をしてから採集に出発です。

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演習林内の林道はまだ凍っているところがあるため、歩いて20分ほどで行ける場所での探索となりました。
木の枝に降り積もった雪が大きな塊で落ちてくることがあるため、ヘルメットは必須です。

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そんな中、すぐに第1号の地下生菌ジャガイモタケが見つかりました!
福岡から参加された岩間さんの快挙です。

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この場所ではツチダンゴの仲間が次々と見つかり、何度も歓声が上がりました。

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昼までに宿舎に戻り、持参した顕微鏡も活用して採集品の同定作業を行いました。

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採集された地下生菌は、ジャガイモタケ(A)や、ツチダンゴ属(D,E,F)の他にも、白いトリュフの仲間(B)や、ネズミツチダマタケ(C)、ホシミノタマタケ属(G,H)など全部で7種以上も確認されました。
残雪があるなど不利な条件の中、正味2時間ほどの探索でこれほどの種が見つかったのは、本会会員の尋常ではない探索眼の賜物でしょうか!

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最後に折原会長から、このような合宿で大勢が集まって採集することの意義についてお話があり、第一回の観察会は解散となりました。

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文:谷口雅仁